デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

その時長くてしなやかな指が、桜の首筋をなぞった。

「ひゃっ」

ビクンと身を震わせて、肩をすくめる。

思わず目をつぶって、唇を結んだ。

ゆっくりと目を開けて、真っ赤な顔のまま少し迷っていたが。

桜の指先も、優しく相手の顎から下を伝っていった。

「う………」

桜に、この愛しい娘に触れられている。

たまらず、小さく声が漏れた。

桜はそれに驚いて、自分からそらされて揺れる紫の目を見つめた。

「王様…ごめんなさい、くすぐったかった?嫌でしたか?」

あわてて外そうとしたその手首を捕まえた。

「違う………もっと」

「え」

「もっと、触れたい……触れてほしい」

染まった目元に長いまつ毛を伏せて、王はささやいた。

「!」

どきんと心臓が跳ねて、桜は目を見開いた。

こわごわ、口を開く。

「あの……じゃあ……王様、今……嬉しい?」

そっと見上げるその顔に、体の奥から熱い何かがこみ上げた。

「ああ。とても………どうしようもないくらい、嬉しい」