デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

思わぬ激しい反応に、アスナイは呆気にとられた。

足元にうずくまる少女は、ぶるぶると震えながらしゃくりあげる。


『……何だ?』

桜にとって、獣につけられた傷よりも、悪徳商人に引きずられたアザよりも、幼い頃からの蔑みはずっとずっと深い傷だった。

追い詰められた桜のそれに、知らずに触れてしまったアスナイは、かける言葉が見つからない。

こんな時、何と言っていいのかわからなかった。


ふと、昨夜のシュリの言葉がよみがえる。

――おまえさあ、考えてみろよ。こいつのことを。

地面に落ちる、大粒の涙。
チリ、と後悔が胸を焼いた。

―とにかく、落ち着かせなくては。

そっと、ためらう手を桜の震える肩にのばす。