デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

恥ずかしい、無理、王様みたいに慣れてないもん!

そう思った時、ふとまた嫌な事を思い出してしまった。

そっか、王様は平気なんだ。慣れてるんだったっけ……。

(恥ずかしいのは私だけじゃん……)

がっくり、と頭を落として、ため息をついた。

(そりゃそうか……私みたいなデブスに触られても何とも思わないよなあ、普通)

神様は残酷だ。きれいな人はどこまでも余裕があってきれいだし、自分みたいなデブスはなーんにも経験ないから、やっぱり無様なのだ。

(……やだな………)

もうこの胸のもやもやは分かってる。

(ヤキモチなんて、やきたくないよ。余計惨めだもん)

でも、どうしようもない。

いつもなら悲しくてすねてしまって自己嫌悪のパターンだが。

(でも……いつまでもこれじゃ、ずーっと変わらないのよね)

自信を持ちたい。ちょっとでも。

それに……もしそれで、この人が喜んでくれるなら。

(ほんとに喜んでくれるかなあ……?ほんと、王様の女の趣味って意味不明)

我が事ながら、全く理解できないが。

ふうっ、と息をついて、がばっと頭を上げる。

「桜?」

王の紫の瞳を、精一杯の勇気で赤い顔のまま見て。

「わかりました……やってみます」

そう桜が言うと、自分が言い出した事ながら、驚いた表情になった。