デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

(うっ……)

桜は心底申し訳ない気持ちで言ったその言葉。

だが、彼はカッと目元を染めた。

(か……わいい…………)

そして、やっぱり無自覚だ。

この状況下で『王様を喜ばせてあげたい』なんて、どういう意味に取られかねないか、分かってるのか。

はぁ、と小さく息をつく。

……ダメだ、我慢できない。

触れたい。

こんな表情で、こんな事を言うから。

それに……桜がこういうふうに触れられる事が嫌ではない事が分かって、しかも自分を喜ばせて、分かり合いたいと思ってくれている。

(それだけで十分嬉しいのだぞ)

そう言いかけたが、せっかくの機会だ。

「……慣れたいか?私に触れられる事に」

微笑んで少し首をかしげて彼女を見ると、一度ぱっとこちらを見て、ますます顔を真っ赤にしながら目を潤ませたが、わずかにこくんとうなずいた。