デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

桜は落ち着かなかった。

ずっと、寝台とソファを行ったり来たりしてみたり、

障子を開けて、少し遠くに見える公宮を祈るように見つめていたり。

(シュリさんの処分て、いつ言い渡されるのかな……)

王様は、晩ごはんもここに食べに来るって言って出てったけど。その時じゃないと、聞けないのかなあ。

いらいらと、外の陽を見上げる。まだかなり高かった。

はあ……とため息をついて、ソファに座る。背中を丸めて、手を額にやったままぐるぐると考えていた。

(もし……考えたくないけど、何年も牢屋から出られないとかになったら……私にも半分分けてもらおう、その期間を。だって私があんなこと頼まないで、あのまま王宮に戻ってたら、シュリさんが捕まることもなかったんだもん)

心を決め、小さくうなずいて口を結んだ。

そのままじっと自分の手を見ていると。

部屋の戸が叩かれた。

「?」

誰だろう、フラウさんたちかなと思いながら、「はい……」と返事をすると、静かに入り口が開かれた。

「失礼いたします、桜様」

少しくすんだ黄緑色の髪の近侍が、微笑んで膝を折っていた。