デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

桜の言葉など聞こえていないかのように立ち上がり、小川へ手を洗いに行くアスナイ。

(……なんか、明らかによく思われてないよね……)

気まずくうつむく。

表情が豊かでよく話しよく笑うシュリに対して、大きく表情を崩さず、凛とこちらを見据えるアスナイは、何となく近寄りがたい。

(美形さんだし、余計に気後れしちゃうよ……)

小さくため息をついて、ワンピースがわりのシュリのマントをそっともてあそんだ。

間もなくアスナイは戻り、キトニの街で買った数種類の薬袋を取り出した。
昨日と同じように様々な大きさの匙でそれらを量り、今日は衛生のため熱湯を加えて練っていく。
手際の良い作業に、思わず桜が見入っていると――

『なんだ』

視線に気づいたアスナイが、桜を振り返った。