暗い目を伏せ、淡々と自分の順番が来るのを待っていた。
あきらめなければ。
自分が心から仕える主君と、愛する少女が幸せになるように………。
ふと、あの赤髪の同期の事を思った。
桜が一命をとりとめ、客用の宮に移ったという知らせの後、しばらくして王宮付の武官たちが数名やって来てシュリを連れて行った。
驚くアスナイに、すべて分かっているような笑いを向けて、大人しく歩いていった。
アスナイが事の真相を知ったのは、その後だ。
(……バカな奴だ)
眉間にシワを寄せ、ふうっと鋭くため息をつく。
後でどんな裁きが待っているか、それをわからないはずはないのに。
だが………。
「次でございます。身を正してお待ちください」
いつの間にか順番が近くなっていたらしい。謁見の間の入り口近くにたたずむ文官が、アスナイに無表情な声をかけた。
我に返った彼は、手早く髪を結わえ直し、マントの乱れも直す。
間もなくして、大きな戸が開かれた。
静かに歩を進め、椅子に座る主君に深く礼をする。
「我が君のお呼びにて、まかり越してございます」
「許す。面を上げ、楽にせよ」
いつもと変わらない静かな声。
ゆっくりと礼を解き、アスナイはひざまずいたまま、主君を見つめた。
あきらめなければ。
自分が心から仕える主君と、愛する少女が幸せになるように………。
ふと、あの赤髪の同期の事を思った。
桜が一命をとりとめ、客用の宮に移ったという知らせの後、しばらくして王宮付の武官たちが数名やって来てシュリを連れて行った。
驚くアスナイに、すべて分かっているような笑いを向けて、大人しく歩いていった。
アスナイが事の真相を知ったのは、その後だ。
(……バカな奴だ)
眉間にシワを寄せ、ふうっと鋭くため息をつく。
後でどんな裁きが待っているか、それをわからないはずはないのに。
だが………。
「次でございます。身を正してお待ちください」
いつの間にか順番が近くなっていたらしい。謁見の間の入り口近くにたたずむ文官が、アスナイに無表情な声をかけた。
我に返った彼は、手早く髪を結わえ直し、マントの乱れも直す。
間もなくして、大きな戸が開かれた。
静かに歩を進め、椅子に座る主君に深く礼をする。
「我が君のお呼びにて、まかり越してございます」
「許す。面を上げ、楽にせよ」
いつもと変わらない静かな声。
ゆっくりと礼を解き、アスナイはひざまずいたまま、主君を見つめた。
