デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

『そろそろ、野宿の場所を決めるか』

陽が傾き、その光がオレンジ色を帯びてきたころ、アスナイがシュリに言った。

『そうだな…ああ、あの小川の近くがいいんじゃねーか』

草原が小さく開けた場所を指すと、アスナイも頷いた。

馬を川近くにつなぐと、二人は手早く野営の準備を始める。

火がおこると、

『じゃ、メシ調達してくるわ』

シュリがバッグの中から小弓を取り出し、スタスタと草原の中へ。
アスナイは小さな鍋で、湯を沸かし始める。

(はあ……すごい)

二人の流れるようなソツのない作業に、桜はただその場に立っているだけだった。

『何してる。座れ。体を休めないと、また熱が出るぞ』

そんな彼女にアスナイが気づき、地面に敷いた簡易なマットを手でたたいてうながした。

「あ……す、すみません」

おずおずと、マットの端に座る。