デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

統括長達が退出した後、王は軽く首を回した。

今日は午後も仕事がある。

昨日の『魔』討伐の賞罰を、各駐屯地の副武官長や統括長に言い渡さなければならない。

ふう、と天を仰いで一度目を閉じた。

……そろそろ、昼食の時間だ。

午後も桜に会えないから、せめて昼だけでもと思って、彼女の部屋でとることにしたのだが。

何だか気恥ずかしい。どんな顔をして会えばいいのか。

特定の女性を愛し愛されるということを、今まで経験していなかった彼は戸惑っていた。

だが。

昨日の夜、一人で横たわった寝台の中で桜からの告白を反芻し、あの痺れるような喜びを、やっと現実として実感したのだった。

すっ、とイスから立ち上がる。

その頬は少し染まって、微笑みが浮かんでいた。

「……時間がもったいないな」

そう呟き、足早に謁見の間を後にした。