デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「い、いい事もあったんですよ?」

今更ながらに顔を赤くして、「え?」と顔を上げる二人に、王との事を話した。

すると。

ぶわっ、とますます二人の目から涙があふれる。

「ええっ?ど、どうして……!?」

ギョッとする桜の手を、二人はしっかと取った。

「桜様っ……!おめでとうございますっ!!」

「良うございましたわっ……!我が君はきっと、無上の喜びを感じていらっしゃいますわ!」

「嬉しいですわ!」
「素敵ですわ!」

まるで出来の悪い娘の結婚を喜ぶ母親だ。

「あ…ありがとうございます……」

恥ずかしいやら驚くやらで、桜はヘラっと笑った。

「ああ大変、御膳はお祝い膳!お祝い膳を取らなくちゃっ!」
「バカねフラウ、桜様はまだお怪我をしてらっしゃるじゃないの!」

目を点にする桜の前で、二人の女官がソワソワキャッキャと言い合っている。

「へ……?」

話が見えない。

「ええ?でも分かんないわよルネ、我が君といえど、こんなに焦がれた桜様相手よ、我慢なんか出来ないんじゃなくて?」
「ばっかね、桜様はそんなガッツいた男はお嫌いよ!我が君だって良くご存知のはずだわ」