デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

夕日のオレンジが二人を照らしていたが、それでもはっきりとわかってしまうくらいに、桜は顔を染めていた。

「……やはり、錯乱していただけか?」

うつむいて目線を横に流し、小さく苦笑いする。

「あっ……!の!」

あわてた桜の声に、王は驚いてまた顔を上げた。

「あ……」

恥ずかしくて、直視できない。

「〜〜〜っ………」

(こ、こ、心の準備がぁあ!)

でも、でも。………もう、ごまかせない。

はあ、と息をついて、ボフ、とその顔をうつ伏せにしてシーツに埋める。震える手が、きゅっとその布を握りしめた。

「……いです」

くぐもった声が、小さく聞こえた。

「………ん?」

聞き取れなかった王が、少し眉をしかめて、そっと桜の真っ赤に染まった耳に顔を寄せた。

「欲しいです………指輪」

「!!」

息が、心臓が、時が止まるようなその衝撃。

「他の人のじゃなくて……王様からの指輪………欲しい、です」

回らない口で、やっとのことで言葉を絞り出した。

「わた、し……あなたが好きです、王様………」