デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

客用の宮の部屋に着いて、寝台に横たわった時、ほうっと安堵のため息が桜の口から漏れた。

王宮に来たばかりのときは、絶対に慣れないだろうと思っていたけど。

もうすっかり、自分の居室だ。

優しく彼女の髪をすきながら、またそのそばに腰をおろした。

「喉が渇いていたり、痛みはないか?」

穏やかに尋ねた。

「大丈夫です」

小さくうなずいて、にっこり笑う。

神力の治癒の効果が上がってきたのか、その頬に少し血色が戻り始め、表情もはっきりしてきた。

安心した王は、一つうなずいてやっと微笑んだ。

「王様……お仕事は?後始末……とか」

そっと聞く桜に、少し首を振ってみせる。

「心配いらぬ。あとはちょっとした大通りの『掃除』だけだ。私が居らずとも、すぐに終わるだろう」

「そうですか……」

ほっとしたらしい彼女。その顔を見つめた。

「…………」

こくん、と王の喉が鳴った。

やっと桜の容態が落ち着いて、今の今まで頭から飛んでいた重大な事が思い出されたのだ。