デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

急に不安になった。

自分の家のはずなのに。

(……わからないな。どこが、私の帰る場所なんだろう)

小さく虚しくつぶやく。

だって………ここにいたって、私は誰にも望まれていないもの。

お父さんもお母さんも亨も、遠い外国にいて。
きっと三人で楽しく暮らしてる………。

罪悪感をあがなうかのように、毎月一人じゃ使い切れないくらいのお金だけが、淡々と銀行口座に振り込まれて。

ああ、帰らなきゃ。

でも、どこに?私の家は、ここなのに?

茶色の絨毯を見下ろした。


ああ、なんだかもう……疲れて。

眠い……とても……目を開けていられない。


ゆっくりと、果てしなく深くて、限りなく心地のいい眠りへと、桜は誘われていく。

その意識が、ゆっくりと全てから目を閉じようとした時。



誰かのすすり泣く声が聞こえた。