デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ゆっくりと、その意識がまた闇に沈み始める。

三人が必死に呼びかける声が、遠くなっていく。

(しまったなあ………)

桜はぼんやりと、心でつぶやいていた。

(王様に………まだ気持ちを伝えてないのに…………)

すがるような表情の、彼のその紫の瞳を見た。

(早く、言えば良かったな……)

もう視界がかすんで、夢かうつつかわからなくなってきた。
小さな微笑みを浮かべた顔のまま、にじんでいく彼の美しい顔に、うわ言のようにささやいた。


「王様……あのね………」

―――何だ、桜。
 
ああ、そんなに心配そうな声を出さないで。私は大丈夫ですから。

「………欲しい……ものが……あるんです」


―――何だ、何でもやるから。私の持つものなら何だって。だから、だから桜……


「王宮に……帰った……ら………私に……」


指輪を、ください。