デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

うまく息ができない。

かつてないほど手を震わせながら、その手で桜の頬に触れた。

……冷たい。

命がゆっくりと失われていく冷たさだ。流れ出る赤い血と一緒に。

小さく首を振りながら、その目元を歪めて王は桜の顔をのぞき込んだ。

「桜」

青白い頬。浅くて早い息、小刻みに震える体。

「…………っ」

歯を食いしばり、固く目をつぶった。

「桜……桜……」

すると。


「……王様………?」



かすかに、声が。

「!!」

驚いた顔で、急いで彼女の目を見た。

アスナイとシュリも、我を忘れてその白い顔をのぞき込んだ。

薄っすらとその黒い瞳をのぞかせ、目線をさまよわせている。

フッと、アスナイを見た。

「アスナイさん……?」

「桜!」

思わずその手を握りしめる。