「シュリさん、シュリさんから王様は見えますか?」
見上げる心配そうな黒の瞳に、首を振った。
「いや……多分王は先頭だろうから、もう少し戻らねーといけねえな」
馬の手綱を握り、マントをはおった桜を腕の下に護る。
「行こう」
危険に対して、神経を尖らせながら人混みの中を歩き始めた。
剣が振るわれる金属音や、『魔』の叫び声が響き、それを目の当たりにする街の人間たちの悲鳴の中、二人は足早に移動していく。
スッポリとフードをかぶってはいたが、その恐ろしげな音に体を震わせる桜を、シュリの力強い腕がしっかりと支えていた。
(……シュリさんの言うように、あまり現場を見ないほうがいいかも)
その頼もしさに、そっとため息をついた。
きゅっ、とシュリのシャツをつかんで、一生懸命に歩く。
その姿に、納得してあきらめたはずの恋情が胸を焼いて、シュリはくっと唇を噛んだ。
「よし。近侍の馬車が見えてきた。もうすぐだ。……この様子なら、きっと王は無事だ。良かったな」
桜にも、自分自身にも言い聞かせるように言った。
見上げる心配そうな黒の瞳に、首を振った。
「いや……多分王は先頭だろうから、もう少し戻らねーといけねえな」
馬の手綱を握り、マントをはおった桜を腕の下に護る。
「行こう」
危険に対して、神経を尖らせながら人混みの中を歩き始めた。
剣が振るわれる金属音や、『魔』の叫び声が響き、それを目の当たりにする街の人間たちの悲鳴の中、二人は足早に移動していく。
スッポリとフードをかぶってはいたが、その恐ろしげな音に体を震わせる桜を、シュリの力強い腕がしっかりと支えていた。
(……シュリさんの言うように、あまり現場を見ないほうがいいかも)
その頼もしさに、そっとため息をついた。
きゅっ、とシュリのシャツをつかんで、一生懸命に歩く。
その姿に、納得してあきらめたはずの恋情が胸を焼いて、シュリはくっと唇を噛んだ。
「よし。近侍の馬車が見えてきた。もうすぐだ。……この様子なら、きっと王は無事だ。良かったな」
桜にも、自分自身にも言い聞かせるように言った。
