デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

その目をすうっと細め、唇を持ち上げて氷のような微笑みを向ける。

「が、こちらの方は所詮蛆虫よな」

トントン、と人差し指で自分のこめかみを叩いた。

「………」

殺気をみなぎらせ、金の目が王を睨む。

それを小気味良げに見た。

「人の真似をして、潜伏ごっこは楽しかったか?楽しすぎて、我が臣下も街に潜んでいることも気づかなかったか」

ギリギリとその牙をむき出しにして、憎しみの形相を向けられても、王の表情は湖面の様に静かだ。

「なあ、人真似の蛆虫。お前たち数人の愚かな首謀者のせいで……見よ」

つい、と横へ視線を投げる。

殺された『魔』達が山積みになり、その脇を同じように縄で繋がれた者たちが引き立てられていく。

誰一人として、深手を負っていない者はいない。

「お前たちの仲間は捕らえられ、殺されるぞ?」

クックックッ、とさもおかしそうに藍色の頭を揺らす。
豪華な耳飾りが、シャラシャラとその動きに小さく呼応した。

ガアァアッ!!と怒りの叫び声を上げ、王に飛びかかろうとするが、近衛達に押さえつけられる。
なおもその縄をちぎろうと、体に魔力の炎を上げる。