デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

今度はシュリが押し黙り、桜を厳しい目で睨みつけた。

「危険だって、言ってんだろうが」

「わかってます。大丈夫、私を王宮に送ったら、後はシュリさんにはもう関係ないです。気にしないでください」

大真面目にうなずいて、突き放すようなことを言う。

その言葉に、ぐっと歯を噛みしめた。

「………っ…ほんっと、お前って女は!」

腹立ちまぎれに、わしゃわしゃと黒髪をかき回した。

「うわうわ!」

「あーあ……何でこんな無謀なはねっ返り、好きになっちまったかな」

「シュ、シュリさん?」

「ったく、しょうがねぇなあ!」

ますます渋い顔をして馬首を返し、少し進行方向を変えた。

「あっ……?」

「お前も無謀だが、俺も大概バカだぜ。他の男を心配して命をかけるような女、何で……」

危険なのに。桜可愛さに。この期に及んで、突き放されたくない、嫌われたくないなんて。

やっぱり、頼りにしてほしいなんて。