「……でも…」
「でもじゃない。お前のような武術の心得もない、しかも女が、あんなところに行こうなんてのは勇気じゃなくて向こう見ずっていうんだ」
ピシャリと言い、馬を走らせながらシュリは前を向いた。
「お願いシュリさん、じゃあ遠目に王様とアスナイさんの無事を確認するだけでいいですから」
「ダメだ。遠目といったって、『魔』に見つかったらあっという間に狩られる。第一、王はともかく、アスナイがどこにいるかなんて人混みで分かるわけがない」
一度唇を結んで、桜は小さく言った。
「勇気なんかありません」
「え?」
「このまま王宮で、不安なままじっと待つ勇気なんか、ないと言ってるんです」
「お前……」
揺れる黒い瞳が、自分を見上げる。
「いいです、じゃあ。シュリさんには頼みません」
「は?」
「シュリさんが私を送り届けても、また街に出るもん」
「何だと、お前……!」
血相を変えた。
まさかそんなと思ったが、すぐに心の中でそれを否定した。
いや、やりかねない。こいつなら。
「でもじゃない。お前のような武術の心得もない、しかも女が、あんなところに行こうなんてのは勇気じゃなくて向こう見ずっていうんだ」
ピシャリと言い、馬を走らせながらシュリは前を向いた。
「お願いシュリさん、じゃあ遠目に王様とアスナイさんの無事を確認するだけでいいですから」
「ダメだ。遠目といったって、『魔』に見つかったらあっという間に狩られる。第一、王はともかく、アスナイがどこにいるかなんて人混みで分かるわけがない」
一度唇を結んで、桜は小さく言った。
「勇気なんかありません」
「え?」
「このまま王宮で、不安なままじっと待つ勇気なんか、ないと言ってるんです」
「お前……」
揺れる黒い瞳が、自分を見上げる。
「いいです、じゃあ。シュリさんには頼みません」
「は?」
「シュリさんが私を送り届けても、また街に出るもん」
「何だと、お前……!」
血相を変えた。
まさかそんなと思ったが、すぐに心の中でそれを否定した。
いや、やりかねない。こいつなら。
