デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ますます驚く桜にうなずいて、ふっと苦く笑った。

「お前の近くにいたかったんだろうぜ、多分」

桜に同じ思いを抱く人間だから、その気持ちはよくわかる。

「…………」

切なく眉をしかめ、唇を一度噛んだ後、桜はシュリを振り仰いだ。

「シュリさん、行ってみましょう、あそこへ」

するとシュリはキッと目を細め、首を振った。

「ダメだ。まずはお前を王宮に送ってからだ。その後で、俺だけで馬を飛ばして合流する」

「でも」

「危険だ。分かってんのか、相手はお前なんて一瞬で引き裂くぞ」

そう言い、愛馬の脚を速めた。

だが、桜は言い募る。

「お願いシュリさん、こんなの前にして、私だけ安全な王宮の中にいるなんてできません。心配で……じっとなんかしていられない」

その言葉に、ついにシュリは少し声を荒げた。

「行ったところで何が出来るってんだ。足手まといだ、お前は。のこのこ丸腰のまま出て行って、お前に何かあってみろ。俺やアスナイが………王が、どうなると思う」

まだ未練に揺れるその瞳に、桜は口をつぐんだ。