ぼんやりと家族と別れた日のことを思い出しながら、帰りに買い込んだお菓子をほおばる。
最近はまともな食事もとらず、もっぱらお菓子が夕食がわりだった。
体に悪いことはわかっている。太る一方だということも。でも、彼女を心配し、叱る人は誰もいない。
もう、いいや。
最近の口癖だった。
中学生になったころ、思春期を迎えた桜も、ティーン誌に載っているダイエットに精をだしたこともあった。けれど。
『え~~!?なに何山神さん、ダイエット~!?女子力たかいねえ!うっける~~!!!』
『ぎゃははは山神お前、マジかよ!えーと?“カラダを冷やさないように飲み物は常温で、バスタブにもつかりましょう”…そんなレベルのデブじゃねーだろ、オメーはよ!』
クラスメイトのいじめもつらくて、けれどそれ以上につらかったのは、哀れみと蔑みの混じった、両親の視線。
なんで、美しい自分たちから、こんな子が生まれたんだろう。
そう言っていた。
