クリア・スカイ


「ありがとう」

 ほたるは陽太に連れられて、空野家の家に上がっていった。


「お姉ちゃん、ほたるちゃんが遊びに来たよー」

 陽太は、ノックをせずに陽咲の部屋に入った。陽咲は窓側におかれた木製の勉強机で、教科書とにらめっこしていた。


「陽太、ちゃんとノックしてっていつも言っているでしょ」

「うるさいなあ。別にいいじゃん」

「良くない! あ、ほたる、どうぞ中に入って。散らかっているけどね」

 陽咲の部屋はオレンジ色を基調とした家具が並んでいた。壁には誰かのポスターや写真などが貼られている。散らかってはいないけど、物が多い印象を受けた。


「おじゃましまーす」

 ほたるはカーペットの上にあるふかふかのクッションに座った。陽咲も勉強をやめ、ほたるの近くに座る。