圭哉くんは俺様且つ暴君。




「あー、全然 優しいとか…ないよ?」


「えー!またまた、幸せオーラ出てるよっ!」


どんなオーラだよ。
今の状況で幸せとか、私は本気でMか。



「ん〜?…幸せなのかな?」


この場をやり過ごすべく、終始苦笑いで対応していた私の体は、いきなり背中から温かい何かに包まれて、


「小春は俺と居て幸せじゃねぇの?」


「っ、」


瞬間、呼吸も出来ないくらい苦しくなった。



「「「ギャーー!いいなぁ!」」」


みんなの前でも俺様だけど、2人の時よりずっと、ずーっと優しい。

猫かぶり野郎。


「…幸せ?」

「う、うん!幸せです。」



再度 確かめるように。

いや、早く言え…と鋭い眼差しを私に向ける圭哉くんにコクコク頷いて言葉を紡げば



「…良かった。

じゃ、俺らラブラブなんで!また。」



そのまま引きずるように、私を教室から連れ去る。


その行動全部がスマートで、余計胸をドギマギさせる。絶対 女慣れしてる。


あー、やだ。悔しい。