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昨日、圭哉くん家を出たのは結局 20時を回った頃だった。私が帰るまで圭哉くんが目を覚ますこともなく。
もちろん、朝起きても圭哉くんから着信やメッセージが入ってたわけでもない。
圭哉くんがご飯をちゃんと食べてくれたかも、分からない。
頭痛…良くなったかな?
なんて、窓の外を見ながら黄昏ていた私のところに
「ねー!小春ちゃん!」
「ん?」
クラスメイトの女子が3人駆け寄って来たかと思えば
「昨日、圭哉くんの家から遅くに帰ったって本当?やっぱりラブラブなんだね〜!羨ましい!」
「やっぱり彼女にはとびきり優しいの?」
「あー、1度でいいから抱かれてみたい〜!って、彼女の前でごめんね!」
「「「あー、羨ましい〜!」」」
嵐が訪れた。
昨日は、確かに圭哉くんの家に遅くまで居たけど…私たちの関係は決してみんなが思ってるようなものではなく。
…むしろ、ご主人様と下僕。
うん、しっくり来た。これだ。だから、全然 優しくしてもらえないし、羨ましく思われるようなことはこれっぽっちもない。


