この無い頭で必死に整理した。
短時間に色んなことがあり過ぎて、ふと時計へと視線を向ければ
まだ、修くんに振られてから30分も経ってないじゃん。
なのに、もう彼氏(偽)が出来てしまっている自分って…どうなんだろう。
後になって色々と思うところはあるけれど
『じゃ、よろしく"世話係"。』
そう言って圭哉くんは去っていった。
スマホのディスプレイは、電話帳を表示していて、たったさっき無理やり登録された《藤崎 圭哉》の画面がこんにちわしている。
『俺が呼んだらすぐに来い。どこにいても、何をしてても、第一優先は俺だ。』
"分かってるよな？"
そう私を見下ろす圭哉くんを思い出して身震いして、
「あー、何か…私が1番やばいことに巻き込まれてるんじゃないの、これ。」
ふぅ、と息を吐いて自分に落ち着け！と念じる。
今頃になって、圭哉くんを巻き込んだんじゃなくて、私が圭哉くんに巻き込まれたんだってことに気付いた。
圭哉くんの、楽しそうな顔が頭から離れない。
「何やってんの、私。」
修くんに振られた次は、学校1イケメンに振り回されるのか。
