"わー、羨ましい〜"

"本当に藤崎くんがゾッコンって感じ?"


なんて、周りの声がやけに鮮明に聞こえて、私の鼓動をドクドクと速める。



「な、何で?」


廊下に飛び出した私の第一声に、涼しい顔で私を見下ろしフッと目を細める仕草に、



「彼氏が彼女迎えに来て、何が悪い?」


その言葉に


どうしようもなく、胸がぎゅーって…



締め付けられるのは、どうして?



もし、もしだよ。

この気持ちを、こんな気持ちを人が『恋』って呼ぶのなら



『俺のことは絶対に好きになるな。』



私は、どうしたらいいの?