ん?でも…待てよ。


圭哉くんは、群がる女達がいなくなって万々歳だし


私は、修くんに謝ってもらえてグッドエンドを迎えたわけで。



つまり、


「もう、偽恋人やる必要なくないですか?」


そうだよ、私が下僕生活を送る必要は…



「あ?…誰が俺から離れていいって言った?」

「なぬっ?!」

「俺に女が群がらないのは、お前と俺が付き合ってるから。

つまり、別れたらまた群がる。

意味ねぇだろうが。」


あー、言われてみれば確かに。
ん?でも待って、それって卒業するまでずっと、私はあなた様の偽カノを?


「…それじゃ、私…彼氏作れないじゃん!」


「そもそも、相当な物好きがいない限り出来ねぇだろ。」

「ぐっ…」


出来るかもしれないじゃん。私だって人並みに恋したいっつーの!


「なら、お前にもし…好きなやつができたら考えてやる。

それまでは俺にひたすら尽くせ。

それなら、いいだろ?」


……いいんだ。
てっきり、一生解放してもらえないんじゃないかって思ってた。

いや、それじゃいくら何でも無理があるか。


好きな人が出来たら…


「分かった、好きな人が出来るまで…圭哉くんに群がる女避け、します。」


「んまぁ、俺みたいな完璧なのが傍にいれば、他を好きになるなんて無理だろうけど、な。」


"せいぜい頑張れ"


それだけ吐き捨てて、私を残して教室へと階段を登っていくその背中に思う。


わざわざ手引いて連れてきておいて…私の棟と反対じゃんかーーーー!!!!