「勘違いすんなよ。俺がお前を好きとかそんな期待はこれっぽっちもすんな。つまりは"偽恋人"…って、意味だ。」
「"偽恋人"？」
「人前では恋人同士を演じる。つまり、今日から俺とお前は偽恋人。自分が振ったその日に、お前が俺と付き合った…なんて、あいつにしたら最高の屈辱だろ？」
確かに、偽恋人とは言え…学校1イケメンと言われている藤崎くんの彼女になったら、少しは修くんを見返せるかもしれない。
「…どうすんだ？やんのか、やらねぇのか？」
でも、そんな事に…藤崎くんを巻き込んでいいのかな？藤崎くんには…何のメリットもないのに。
「……もし、協力してくれるなら…よろしくお願いします！！」
でも、今の私が出来る修くんを見返す方法は…情けないけど、これしかない。
《悔しい》
そんな気持ちが、私を後押しする。
