そこまで言うと、私を抱きしめる腕を緩め、いつものようにポンッと優しく頭に手を乗せた圭哉くんは
「どうする?小春。」
なんて、答えなんて分かりきっている質問を私に投げかける。
そんな圭哉くんの手をギュッと握りしめて覚悟を決めた私に
一瞬、目を見開いた圭哉くんはすぐいつものように口角をあげてフッと笑い、その手を握り返してくれる。
「……ごめん、修くん。
私は圭哉くんといる今が、幸せ。もう、戻ったりしないよ。」
確かに、偽恋人だけど本当に毎日が楽しいの。
「小春……。」
「ざまぁみろ。
小春は俺のだから。2度と近づくな。
行くぞ、小春。」
「え、あ…ちょ!ごみ捨て…」
繋いだままの手を引かれ、そのまま圭哉くんに引きずられるように歩く私。
ごみ袋は置きっぱなしだし…修くんは放心状態だし…。


