「ダサ。」


「へっ…」



突然聞こえてきた声に、反射的に顔を上げれば


「有り得ねぇだろ。今の展開で一言も言い返せねぇとか。お前 口ついてる?」


「なっ!」


この人知ってる。
学校1のイケメンって言われてる同じ2年の藤崎 圭哉(ふじさき けいや)くん。


短髪で明るい茶髪。
ふわりと軽いパーマがかかっているその髪は、柔らかそうで思わず触りたくなってしまうほど。

ずるいくらい綺麗な二重ラインに、細すぎることなく整えられた眉。

そして薄い唇がやけに色気を放っている。


「悔しかったら、言い返してみろよ。」


「…いきなり現れて何様?学校1のイケメンだか何だか知らないけど、人の失恋シーンに優しい言葉の1つ…かけれないなんて。」


人としてどうなの。

しかも、全部聞かれてたとか最悪。