圭哉くんは俺様且つ暴君。




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とは言うものの……


「昨日よりは早くなったじゃねぇか。でもまだ3分オーバーだぞ。」


やっぱり、毎日 昼休み前に私のスマホは震えて。


比例して私も震える。



「だ、だから!3分じゃ校売に着くのがやっと…だってばぁ!」


「それでも俺の世話係か、お前は。」



ぐふっ


「世話係たって、時間はどうにも出来ないよ!」


「とにかく、すぐ来い。1秒でも早くな。」



「〜〜っ、」


悪魔!!大魔王!!


毎日 私がどれほどの男子生徒に恨みを買ってることか…。


今日だって、既にカツサンドは売り切れ寸前で、カツサンドを持って並んでる男子生徒に『お願いします!譲ってください!命に関わるんです〜〜』って、必死に譲ってもらったのに。



「文句あるなら、聞くだけ聞いてやるけど?」


「っ、ないです!!」


言ったところでどうせ、この世の言葉とは思えない暴言でねじ伏せられて終わりだもん。


「少しは自分の立場が分かってきたみたいだな。」


「圭哉くんの意地悪。」


不敵に笑う圭哉くんに、少しばかりの抵抗を試みても


「何とでも言え。」


ただ、ただ、憎らしいほど整った微笑みが返ってくるだけだった。