「はーい、じゃあバス降りた順に教室戻って、帰る準備始めて〜!」
バスを降りた俺たちに叫ぶ担任の声。
先に学校に着いた工業科の連中がぞろぞろと校内へ入っていく中、俺は後から入ってきた普通科のバスへと視線を向けた。
別に意識してるわけじゃねえのに
俺の目は勝手に小春を探す。
普通科の2台目のバスの後ろから4列目。
「………っ、」
見つけた、小春の姿。
昼に祭りで一緒だった男の肩に寄りかかって寝ている小春を、愛おしそうに見つめる男。
「…………っ。」
その光景にイライラが募っていく。
────ギュッ
握りしめる拳、
見開いた目は瞬きを忘れて、開いた口は呼吸の仕方さえ分かんねぇけど
『もし、2人に何かあって…小春ちゃんが泣くようなことがあれば。俺、黙ってないけどね。』
前に一度、宣戦布告された言葉が頭の中をぐるぐるループする。ったく、あの野郎…往生際がわりぃんだよ。
気が狂いそうなくらい、もう……小春を誰にもやりたくない。
それだけは、俺の中でハッキリした。


