「…圭哉くん?」
『…あ、5分経った。』
「え、」
『じゃ、切るぞ。』
「…ま、……うん。おやすみなさい。」
"待って"…すぐそこまで出掛けた言葉を、無理矢理飲み込んだ。
ほら、やっぱり
圭哉くんは、この電話の終わりをちっとも悲しんでない。寂しそうじゃない。苦しそうじゃない。
……こんな気持ちに悩んでるのは、今も昔も私1人。
『小春。』
「…ん?」
『…やっぱ、なんでもねぇ。じゃあな。』
なにそれ。
人の気も知らないで。
簡単に名前呼ばないでよ、ドキドキするじゃん。
会いたくなるじゃん。
「あ、待って…圭哉くん!」
…ほら、名残惜しくて呼び止めちゃったじゃんか。


