ミシッと鈍い音と共に冷蔵庫が開く。
中には予想通り、何も無い。
強いて言えばミネラルウォーターのペットボトル。
と、コーラ。
きっと小春が買い足しておいたやつだろう。
「……んだ、これ。」
冷蔵庫の真ん中の段に、メモらしき紙切れ。
取り出して見てみれば、そこに書いてあるのは明らかに女の字で。
《本当いつ来ても冷蔵庫の中空っぽ。
私が居なかったらご飯どうするの?
ちゃんと食べなきゃ体壊すぞー。
コンビニ弁当でもいいから食べて。
☆冷蔵庫編☆ こ は る 》
「…いつの間に書いたんだよ。」
小春と会わなくなった日から、冷蔵庫なんて開けてねぇな。
そりゃ気付かねぇわけだ。
「冷蔵庫編…って、……他にもあんのかよ。」
あほくせー。
そう思う気持ちとは裏腹に、体は小春の紙切れを探しに向かう。
キッチンの冷蔵庫の中にあったって事は、
きっと、あそこにもあるだろ。


