一部始終を見ていたクラスメイト達はガヤガヤと私たちを口々に噂している。


きっと、圭哉くんがフリーになったことに対する喜びの声が8割を占めているんだろうけれど、


今の私には何一つ聞こえてこない。



頭の中をぐるぐる回るのは



『失せろ。』



低く、擦れた声で聞こえたそんな言葉で。



自分が選んだ道とは言え、こんなにも苦しいならやめておけば良かった…。


教室を出て、階段を降りながら



我慢してた涙が静かに頬を伝う。



自分でももっと大泣きするかと思ってたのに、流れる涙は一筋だけで、なんだよ!拍子抜けだっつーの。




「圭哉くんの彼女じゃ……なくなっちゃった。」




つまり、私と圭哉くんを繋ぐものは何も無いんだね。


本当に、赤の他人になっちゃった。