「…大魔王。」
「忘れんな、お前は俺の世話係。立場は俺のが偉いんだよ。」
「……やだ。」
「あ?」
お世話係なんて…もう嫌だ。
偽カノなんてまっぴらだ。
…だけど、
「……あー。もう。」
「何だよ、さっきから1人で。」
私の葛藤なんて知らない圭哉くんは、私の頭がついについに逝かれてしまったと思っているに違いない。
私に好きな人ができたら…この関係を終わらせてくれる。
そう言ったくせに、私がシッポを振っていいのは圭哉くんだけ、なんて。
どのみち私は圭哉くんしか好きになっちゃダメなんじゃん。
思わせぶりな言葉に、思わせぶりな態度。でも
『俺のことは絶対に好きになるな。』
あの日の言葉が私を苦しめる。
「……今日は、家寄ってっていい?」
「ん。」
「ご飯、作ってあげる。どうせまたろくに食べてないんでしょ。」
だから、やっぱり…。
どんなに伝えたくなっても、私はお世話係として傍にいる道を選んでしまう。
あー、乙女。純情乙女だわ。
…これは、恋する乙女の末期症状だ。


