そんなこと出来るわけない!…と、振り返ろうとする私を
「…帰んぞ。」
有無を言わせぬ勢いで引っ張る圭哉くん。
「ま、っ…ちょっ!翔太くんごめんね!!また明日…っ」
結局、圭哉くんの力になんて勝てるわけがない私は、ただ引きずられるようにして教室を出た。
最後まで優しく笑う翔太くんは、軽く片手を上げて手を振ってくれて、私も負けじと振り返せば、クスッと小さく肩を揺らした。
あーあ、なんか。
翔太くんにすごく悪い事をした気分。
初めて人に好きだと言ってもらったような気がする。
修くんに告白された時は、『付き合って欲しい』ってだけで…好きとかそんなの一切なかったし。
圭哉くんは、それ以前の問題だし。
ボーッと初めての出来事に浸る私は、
「おい。」
「へ…?」
目の前で不機嫌そうな圭哉くんに、素っ頓狂な声を上げて我に返った。


