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「遅い。」
「こ、これでも急いで…」
「俺は3分以内っつったはずだ。」
「そ、んな…の!無理に…決まってるじゃん!そ、そもそも、棟が違うし!」
「俺の彼女は、ろくにお使いも出来ねぇの?小春。」
「───ゴクッ」
6組に着いた私は、そりゃもう息は途絶えかけてて、瀕死状態。
両手にはカツサンド2つとコーラを持って。
自分のお昼だってまだなのに、なぜこんなにも責められているのか誰か解説願いたい。
「あっれ〜?圭哉が女の子と仲良くしてるなんて珍しいじゃん。」
そんなことを考えていた私は、すぐそばで聞こえた圭哉くんとは違う爽やかな声に振り向いた。
「お!しかも可愛い!」
か、可愛い…って!!私?!
「隆太、引っ込んどけ。」
圭哉くんに隆太と呼ばれた男の子は、ふわりと優しい笑みを浮かべて私の頭をポンッと軽く撫でたあと
「俺ね、柏木 隆太(かしわぎ りゅうた)。圭哉の唯一の友達…ってとこかな?君は?」
「あ、えっと…鈴木 小春です。圭哉くんには………お世話に、なって、ます。」
何て言ったら良いのか分からず、我ながらおかしな挨拶をしてしまった…と
圭哉くんをチラッと盗み見れば、あからさまに怒りの感情が伝わってきて肌にピリッと電流が走った気さえした。


