走って走って、息が苦しいくらい走って、もう自分が今 酸素を取り込めているのかすら謎めかしい状態で
「カ、カツサンド2つ下さい!!」
食べ盛りの男子達を差し置いて、校売の中心でカツサンドを叫ぶ。
知ってる?カツサンドって、焼きそばパンに並ぶ人気ぶりなんだよ?
自分が食べる訳じゃないのに、何でこんなにも必死に…って!!時間ない!!もう3分なんてとっくに…
「お、おばちゃん!カツサンド2つでいくら?」
「えーっと、720円ね!」
───チャリンッ
焦る指先で小銭をレジ横のお金受け皿へと滑らせた私は
「ちょうどね!ありがとう。」
おばちゃんの悠長な声を背中で聞いて再び走り出す。
走りながら思い出したコーラを慌てて自販で素早く買って、
「だっから、棟が違う〜〜!!!」
目指すは6組。
圭哉くんのクラス。


