「私は圭哉くんの、偽彼女です。」
「…偽彼女?」
明らかに怪訝そうに眉をひそめたお母さんに、少し怯みながらも
それでも、真っ直ぐ伝える。
「私、圭哉くんと出会う前、
付き合って1週間の彼氏がいました。
その彼氏に、そりゃもう酷い言葉と共に振られて、
その直後に出会ったのが圭哉くんで。」
私の話を、ただ黙って聞いている圭哉くんのお母さんは、
今何を思っているのか全く読めない。
「言われたんです。圭哉くんに。
『元カレ見返したいなら、協力してやる。』
『その代わり、俺に群がるうぜぇ女避けはもちろん、身を呈して俺に尽くせ。』
『ただし、俺のことは絶対に好きになるな。』
って。これこそ、笑えません?」
"なるほどね。"
と、私の言葉に相槌を打った圭哉くんのお母さんは、どこか肩の力が抜けたように思えた。


