「私は、ミウが傍にいてくれるだけで心強いよ!」

「え……」

「ミウ、大好きっ!今日は、このあと " 失恋やけ食い " に付き合ってよね!」



その言葉に、音もなく涙の雫が頬を伝って零れ落ちた。

大きく手を振り、再び駆け出したユリの背中に、何度も何度も心の中で『頑張れ!』とエールを送る。



「……大丈夫だよ」

「え……?」

「あの子 ─── 笑ってたから」

「笑って……?」

「今みたいに、晴れた笑顔で笑ってた」



不意に、髪に触れた温もり。

弾かれたように顔を上げれば、そこには涙を流す私を、優しく見下ろす雨先輩の瞳がある。