「どうもこうも……無い。私がっ……源を殺したんだからぁ!!」


「……秋乃?何言ってんだよ、秋乃が源を殺すって、何だよ!?」


「もうやめて!!ようやく落ち着いてきたの!!源の事なんて思い出したくないっ!!」


そう言って、全力で駆け出す秋乃先輩。 


それを追おうとして、走りだそうとする蒼大先輩の手を、私は掴んで止めた。


その間に、秋乃先輩はいなくなってしまう。


「な、何で止めたんだよ、静月!!」


「本当に秋乃先輩が源先輩を殺してたら……」


「………?」


「指輪を見つめて、泣いたりしません」


あれは、源先輩を想って泣いていた。

殺したなんて、そんなの信じられない。

だから、理由が知りたかった……秋乃先輩がそう言った理由が。