“さよなら”なんて言わせない。




「橘さん!コーヒーを七番席へ!」

「あっはい!」



早速お仕事!
七番席のお客様はお一人のようだ。




「お待たせしました。こちらブラックコーヒーになります。ごゆっくりどう…ぞ…!?」

「どうも。……は、千鶴?」

「けっけけけ、慧くん!?」




夢に見た慧くんだった。

四年ぶりくらいだ。
マジかよ、と小さくつぶやく慧くん。

いや、私も同じこと思ってる。


まさかまさか。
なにこれ、予知夢?



四年ぶりだからもう26歳のはず、慧くん。


久しぶりに見た彼は相変わらず黒いジャケットに黒いズボン、そして白いシャツ。
すごく大人っぽい。