「……終わってないよ。だから電話したんだよ」
素直になるんだ、私。
「ふ、藤山とも見たいなーなんて思ったのっ」
熱が出て体調が良くないことは分かってる。
それでも、藤山と花火が見たい。
藤山の姿を見たい。
『だから、俺は』
「家の前に来てるの。だからさっさと顔出してよっ」
ダメだ。素直に、可愛く、どころか自己中発言をしてしまった。
『は?嘘だろ?』
「嘘じゃない。多分、この家が藤山の家かなってところに立って……」
ガチャッ
すると、目の前のドアが開いた。その主は……藤山だった。
『マジで来てる……』
そう言った藤山は、通話中の電話を切り外に出てきた。
「嘘はつきませんけど?」
ちょっとだけどや顔をして藤山に言う。
「ていうか、本当冷えピタ貼ってる。ふふっ」
「……病人だもの」
ダメだ。口には出さないけど、冷えピタ姿……可愛いかもしれない。


