はじまりはミステイク




「夏休みかな。あとは練習試合とか合宿」


そっか。もうすぐ夏休みが来る。


「藤山達も夏休みってあるの?部活三昧とかじゃないの?」


「さすがにずっと練習ってわけじゃないと思うから、少しはあると思う」


「ふーん」


夏休み、か。


藤山と会える、かな。


「そんな顔しなくても、ちゃんとあまりの相手するから心配しないで」


私と目線を合わせて、右手で私の頭を撫でてきた藤山。


ドッキイイイン


「なっ、なっ、何すんの……」


「ん?頭撫でたの」


「そ、それは、分かってる、けど」


ダメだよ。


そーいうの反則。


頭撫でただけじゃないじゃん。


笑ってたじゃん。


年下なのに、年下のくせに私のこと子供扱いしないでよ。


そんな藤山の行動に、なぜか胸がドキドキしてくるんだよ。


「あまり?」


私はパッと藤山から離れる。


「わ、私だって夏休みは忙しいもん」


今の所ノープランだけど。まず、テスト返却の結果次第で、補習の波が襲ってきそうだけど。