本当、なんでこんなムカついてんのかな。嫌になっちゃう。


「ラインでもいいから、藤山に連絡してみなよ」


放課後、バイトに行くために先に教室を出ようとした一華ちゃんからの一言。私は渋々頷いて、教室を出てから階段を下りる。


ダダダダッ


誰かが階段を駆け上がってくる足音。もう、うるさ……


「あまりっ」


藤山だった。私の目の前に、息を切らした藤山の姿があった。


「あまりっ、話したくない理由……っ、教えてっ、はぁっはぁっ……」


言葉は切れ切れ。そして何より、周囲の下校する生徒たちの目が痛い。


「藤山、また連絡するから部活行って」


「言った、からね……っ」


「うんうん。電話するから早く行ってっ」


そして藤山を追い返すことに成功し、私はすたこらと学校を後にした。





その日の夜。


『もしもーし』


ケータイから不機嫌な藤山の声。


「……もしもし」


こちらからは私のタジタジな声。