「ふ、ふじやま?」
聞き覚えのない単語に首を傾げる。
「昨日天木、告白してたじゃん。ほら、お友達からって」
「えっ、待って。圭吾くんも……見てた?」
「見てたも何も、その場にいたからな。ビックリしたよ~」
な、なんということ!やっぱりその場に圭吾くんはいたわけで、あの告白を見られていたのか!?
「もう嘘って言えないや……」
学校に着き、自分の教室へ向かった後、一華ちゃんの姿を見つけて、先ほどの会話を伝えて一息ついた。
「ていうか、告白した相手ってフジヤマって人なんだね」
「そんなことどうでもいいよー」
「いや、あたしは気になる。イケメンだった?それともメガネくん?ネクラ系とか?」
「んー、メガネしてたっけ?それすらも分かんない」
「どんだけインパクト薄いの。でもほら、一つ手掛かりがつかめた。フジヤマを探そう!ね?」
一華ちゃんはノリ気。私はオチ気。
そして、気乗りしない私も一華ちゃんに引っ張られ、フジヤマ探しをすることになったのだ。


