「ちょ、藤山言ったね?私、案外バッティングイイんだから」
「ではお手並み拝見ってことで」
「その話のった!」
カキーン
《ホームラン!》
電光掲示板の文字が光る。
「……あまり、マジでバッティングセンスいいんですけど」
「ふっふっふ。中学の時、人手不足の野球部で一時期野球してたもんね」
見たか!とドヤ顔で藤山を見ると、藤山は吹き出した。
「あまり野球少女だったの?」
「そうだよ。当時好きだった人が野球部で……と」
余計なことまで口走ってしまったぁ!
「ごめんっ、今のなし!」
「いいよ、別に。昔のことでしょ」
そう言いながら、バットを持つ藤山。
「俺だってそんな経験したあるよ」
「藤山も恋してたの?」
「それなりにね」
それなりに、藤山にも好きな人がいた。
その人とは付き合ってのかな?今はどんな関係なのかな?
うーん、なぜか気になってしまう。
モヤモヤモヤモヤ。


