はじまりはミステイク




「俺、ここ好き」


「よかったー。また来ようよ」


言ってしまってハッとした。


藤山と……また、なんてあるのかな。つい、嬉しくて楽しくてそう言ってしまった。


「だね。また来ようか」


罪悪感がある私にふっと笑いながら藤山が返す。


ヤバイ、胸が痛む。


藤山に対して、申し訳なさしかない。


そう思いながら、オムライスを口にした。






「どうしたの?元気なくなってるけど」


お店を出て、藤山が私に尋ねる。


「体調悪い?」


「そんなことない。バリバリ元気!」


「余計疑うよ、あまり」


出会って少ししか経ってないのに、なかなか鋭いわね、この子。


「よし、あまり。予定変更」


「え?」


「映画の予定だったけど変更して、バッティングセンター行かない?」


バッティングセンター?


「映画館じゃあまりと話が出来ないし、ちょっと体動かそう。あまり俺より歳だし、運動不足にならないようにね」