はじまりはミステイク




「それ、すっげー嬉しい」


「えっ……」


ボソッと呟いた藤山の言葉に反応する私。


「いや、何でもない」


そう言って藤山は目をそらす。時々あるこの反応。これって……照れ隠しだったりして?


「……ふふ、可愛いなぁ」


「何言ってんの。その言葉そのまま返すよ」


「!!それってこの髪型が可愛いってこと?似合ってるってこと?」


「流れで分かって」


「言ってくれなきゃ分かんないって」


「ほら、あまりが言ってるお店ってここじゃない?」


もー藤山め。話をそらしおって。確かに目的地には着いたけど……でも、頑張ってよかったかも。





「ん、これ美味しい」


「でしょ?ふんわりしたオムライスで美味しいんだー」


お店に入り、オムライスを注文した私達。待ち時間は少なくしてやってきたオムライス。私の目の前に座る藤山は、美味しそうにオムライスを頬張っていた。